養育費

養育費とは、「子供が成年になるまでに監護・教育する為の費用」のことです。
内容的には、未成熟の子が社会人として自立するまでに必要とされる、生活費、教育費、医療費などです。

親が離婚した場合、子どもが離婚前と同程度の生活を送れるように、子どもを引き取らなかった側が支払うものです。
決して、元配偶者の為の制度ではなく、親の義務です。

養育費がもらえない人

それなのに、いまだに8割の母子家庭が養育費をもらっていないのは、なぜでしょう?

養育費についての相談を知り合いの離婚経験者にした場合

  • 夫に子供を会わせたくないから、養育費はもらっていない
  • 約束したって、最初のうちしか払ってくれないって聞いたよ
  • 夫が絶対に払わないって言っているからあきらめた
  • 夫の給料が安いからあきらめた

などと言われ、あきらめてしまう人が多いようです。

養育費に関しては、知り合いではなく離婚の専門家(行政書士・弁護士)に相談して下さい。
未成年の子供のいる方は、養育費は絶対にもらうという考えでいきましょう。
専門家に相談するとお金がかかるんじゃないか?
とためらうお気持ちもわからないではありませんが、将来的にもらう養育費の金額を計算して頂ければ、その必要性をご理解いただけると思います。

ご夫婦で話し合いができる場合は行政書士に、夫が知識不足で話し合いにならない場合は弁護士を代理人にたててでも、養育費については公正証書を作成しましょう。

養育費は公正証書で

未成年の子供がいる場合は、必ず認諾付き公正証書を作成するとお考えください。

これは「もし、支払を滞らせた場合には、強制執行を受けても異議はない」という一文を入れた公正証書のことです。
支払期間が長期にわたる場合などに、特に効力を発揮します。

特に子供がまだ小さく、この先大学まで相手に養育費を払ってもらうような場合は、ずっと長い期間ちゃんと支払ってくれるかどうか、はっきり言ってなんの担保も保障もありません。
ですから「認諾付き公正証書」にしておく必要があります。

養育費の支払いが滞った場合などは裁判を起こすことなく、相手方の給与や預貯金等を差し押さえることが可能になります。

このような形で取り決めを残しておけば、まず不払いという事態に陥らないと思います。
・・・が、それでも不払い、滞納になった場合は、養育費については、過去の不払い分だけでなく、まだ支払い期限の来ていない将来分の養育費まで差し押さえができます。

ただし、そこまでの荒業を行使するケースは、あまりないのかもしれません。

会社勤めをしている夫側からしてみれば、強制執行という事態になると、まず給料が差し押さえられます。
そうなると「自分が養育費を不払いをしている」という情報が会社側に知られてしまいます。
これは会社員として非常に恥ずかしい事態ですよね?出世の面からもかなりマイナスです。これからも勤務する会社には、普通知られたくない事ではないでしょうか?

ですから強制執行という事態になるのは、本当に稀なケース。
公正証書が不払い防止の良い抑制剤になるのです。

養育費の金額

家庭裁判所で養育費を算定する際に使用する、
養育費算定表」(外部 家庭裁判所サイトへ飛びます)というものがあります。ぜひダウンロード&プリントアウトしましょう。

協議離婚の場合でも、この相場を参考にして取り決めることをお薦めします。

この養育費算定表では、子どもの年齢、数、夫婦それぞれの仕事、年収の額で金額を決めていきます。

いつまでもらうか

調停に行くと、養育費の支払いは「成人するまで」と決まることが多いと思います。
でも最近では大学まで進学する事は、普通の事になってきています。

ですから、子どもの大学卒業までに期間を設定する事をオススメしています。

なぜなら
「大学に進学せずに 就職したので以降の支払いは結構です」
というのは簡単ですが、
「支払を増額して欲しい」
と依頼するのは、その時の関係によっては難しいかもしれませんから。