離婚をする際に、よく問題になるのが住居の事です。
住宅を売却して、プラスになるなら現金化して、分ける事も可能ですが、若い夫婦の場合は大抵住宅ローンの返済がたっぷり残っている場合が多いです。いわゆるオーバーローン(売却してもマイナスになる)です。

子供が学童期の場合、「環境を変えたくないし、転校もさせたくない」という妻側の希望も多く、現在の住居に住み続けたい。でも妻の収入だけでは、住宅ローンを払っていけないし。妻の名義を変えるのは銀行が納得しない・・・etc.

そんな場合に、「妻と子供が、そのまま現在の住居に住み続け、子供が成人するまで夫が養育費の代わりに住宅ローンを支払う」という事を選択するケースも多いかと思います。

この場合、口約束で離婚してしまった場合

  • 夫が毎月、住んでいない住居の為に、きちんとローンを払ってくれるのか?
  • 夫がローンを滞納して、競売にかけられて、急に立ち退きなんて事になったらどうしよう
  • 夫が勝手に住宅を売却しないか?

等、不安は尽きません。


自分の子供の養育費の支払でさえも、8割の方が不払いや滞納をしているというご時世ですから、ましてや自分が住んでいない家の為にローンを払うなどという発言を、口約束で簡単に信じてはいけません。いざとなれば名義人である夫が勝手に売ってしまおう等と考えているかもしれないのですから。


それなら、賢いあなたは公正証書に記載すればいいじゃない!と思いましたか?
もちろん、公正証書の作成は大賛成です。
でも、ここで大事なポイントがあります!

公正証書で強制執行が可能になるのは、債権者(支払いを受ける人)と債務者(支払う人)が定められており、金額も明確、支払期日も決まっている金銭債権に限られます。

そして住宅ローンの支払契約は、あくまで夫(債務者)と銀行(債権者)で交わされたものです。

ですから、夫と妻との二人の契約である公正証書で、住宅ローンの支払について記載しても、夫(債務者)から銀行(債権者)に支払う住宅ローンは、強制執行できません。

離婚の公正証書ではあくまでも、夫(債務者)が妻(債権者)に支払うという形にしなければ、強制執行できません。(ケースによっては逆)
もちろん裁判を提起すれば、公正証書で約束したという事は証拠になるとは思いますが、あくまでも裁判等の面倒でお金と時間がかかる手続きを省略したいが為に、公正証書を作成するのですから、オススメできません。


ではどうしたらいいのか?
その場合夫から妻に支払うという形にして、妻が夫の代わりに銀行に支払う事で解決できます。
夫から妻への支払は公正証書で定めれば強制執行の対象になりますし、毎月銀行へきちんと支払われている事を妻が確認できますので、妻はかなり安心できるはずです。
そのようなケースにも対応できるよう、公正証書の記載方法やちょっとした工夫が必要になります。

  • 夫(債務者)が妻(債権者)に支払う
  • ローンの支払を確保できる

この2つの要件を満たせるように、ケースに合わせて、当事務所では面談相談にて提案させて頂いております。